小説のネタばっか考えて気分が高揚したので、友達に半年前から借りている『ブレイブ・ストーリー』を読んでいたら、薄い(であろう)壁の向こうから、普段6時に鳴り始めるアラーム音が聞こえてきた。いつも止めるまでに相当の時間を要し、おそらく顔も知らぬその住民はしこたま朝に弱いのだろうと容易に想像できる。反抗の意味を込めて壁に頭突きをし、のそのそと起き出す。カーテンをめくると、朝が迫っているのだろう、東向きの窓から朱が見える。
やがて邪魔されるのであろうが、今は下弦の月が清々と光っている。すると、その下に一瞬光のスジが通ったのが見えた。
流星群!
そう思うと、カーテンを開け、ベランダに出た。
確か今日から数日、何とかという流星群がよく見えるとyahoo!ニュースで見た。そのせっかちなのが見えたのだ。その思い込みだけで充分で、明日洗おうと思ってベランダにぶちまけている洗濯物を踏みつけ、東の空を見上げた。
入居時からすでにヒビの入っていたコンクリの壁にもたれ、さっき流れ星が見えた辺りの空を見る。しかしその部分は、既に太陽が塗り替えようとしていた。
明け方の空は、空の最高地点が黒なら東下するにつれて青に、そしてオレンジに変わっていくのだが、青とオレンジの間は白に見える。色彩の足し算なら紫チックな答えが出るのだろうけど、今の答えは白だ。
まぁ今見たいのは黒の上を滑る黄色なので、ベランダから身を乗り出すように真上を眺めた。しかし見えるのは、小さな黄色い、けれど動きも願いを叶えもしない星。最近の夜更かしも祟ってか、確実に視力が落ちていることを実感している。しかし、この街の東―――街の中心部が夜でも割と明るいのが星空の邪魔になっている。そもそも民法が三局しかなくて夜更けにはカラーバーしかやってないくせに、マンションの明かりが邪魔なんて生意気である。
などとぶつくさ考えていると、さっと動く陰。あっと思うが、あれはコウモリだ。たぶん蛾とかセミとか捕まえに来たのだ。どこにそんな洞窟があるのか知らないが、コウモリがいっぱいいるスポットはきっとあるのだろう。
残念ながら流れ星らしきものは、結局あと一つしか見つからなかった。流星群に所属する流れ星は緑とか黄色の光の緒を従えているものだと思ったけど、今日のは放り投げたポップコーンのカスみたいな小さな白い粒だった。多分事情があるのだ。単に団体さんの巻き添え食っただけとか、病気の床に伏す小さな女の子の「明日のデザートはプリンがいい」とかいう願いを叶えた後で墜落するだけのパワーしかないとか、きっと片田舎出身のオタクでは計り知れない由々しき事情をお持ちなのだ。
でも近日中の夜中に来る流星群は、きっと満足させてくれる姿をしてやって来るだろう。言っておくが叶えたい願いがあるのではない。そもそも流れ星がみんなの願いを叶えるのというなら、とっくにお金持ちになってもっと広い部屋でもっとたくさんのグッズに囲まれてもっと怠慢な日々を過ごしている筈である。
ただ何かすごいものが見たい。今しかないものを見逃したくない。
それだけなのだ。
これだけ書いている間に、窓から見える空に闇は無くなり、カラスの鳴き声が聞こえてくるようになってしまいました。
ピークは13日だったと思います。
がんばります。
取り敢えず寝ます。
追伸:後で見直すと落ち度がよく見えます。
やがて邪魔されるのであろうが、今は下弦の月が清々と光っている。すると、その下に一瞬光のスジが通ったのが見えた。
流星群!
そう思うと、カーテンを開け、ベランダに出た。
確か今日から数日、何とかという流星群がよく見えるとyahoo!ニュースで見た。そのせっかちなのが見えたのだ。その思い込みだけで充分で、明日洗おうと思ってベランダにぶちまけている洗濯物を踏みつけ、東の空を見上げた。
入居時からすでにヒビの入っていたコンクリの壁にもたれ、さっき流れ星が見えた辺りの空を見る。しかしその部分は、既に太陽が塗り替えようとしていた。
明け方の空は、空の最高地点が黒なら東下するにつれて青に、そしてオレンジに変わっていくのだが、青とオレンジの間は白に見える。色彩の足し算なら紫チックな答えが出るのだろうけど、今の答えは白だ。
まぁ今見たいのは黒の上を滑る黄色なので、ベランダから身を乗り出すように真上を眺めた。しかし見えるのは、小さな黄色い、けれど動きも願いを叶えもしない星。最近の夜更かしも祟ってか、確実に視力が落ちていることを実感している。しかし、この街の東―――街の中心部が夜でも割と明るいのが星空の邪魔になっている。そもそも民法が三局しかなくて夜更けにはカラーバーしかやってないくせに、マンションの明かりが邪魔なんて生意気である。
などとぶつくさ考えていると、さっと動く陰。あっと思うが、あれはコウモリだ。たぶん蛾とかセミとか捕まえに来たのだ。どこにそんな洞窟があるのか知らないが、コウモリがいっぱいいるスポットはきっとあるのだろう。
残念ながら流れ星らしきものは、結局あと一つしか見つからなかった。流星群に所属する流れ星は緑とか黄色の光の緒を従えているものだと思ったけど、今日のは放り投げたポップコーンのカスみたいな小さな白い粒だった。多分事情があるのだ。単に団体さんの巻き添え食っただけとか、病気の床に伏す小さな女の子の「明日のデザートはプリンがいい」とかいう願いを叶えた後で墜落するだけのパワーしかないとか、きっと片田舎出身のオタクでは計り知れない由々しき事情をお持ちなのだ。
でも近日中の夜中に来る流星群は、きっと満足させてくれる姿をしてやって来るだろう。言っておくが叶えたい願いがあるのではない。そもそも流れ星がみんなの願いを叶えるのというなら、とっくにお金持ちになってもっと広い部屋でもっとたくさんのグッズに囲まれてもっと怠慢な日々を過ごしている筈である。
ただ何かすごいものが見たい。今しかないものを見逃したくない。
それだけなのだ。
これだけ書いている間に、窓から見える空に闇は無くなり、カラスの鳴き声が聞こえてくるようになってしまいました。
ピークは13日だったと思います。
がんばります。
取り敢えず寝ます。
追伸:後で見直すと落ち度がよく見えます。
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