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2024/05/03 11:01 |
よ~し
ネット解約です!
またいつかお会いしましょう!

…という事で、最後に読み切りを一本だけ載せて去ります。

でわ!!
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2009/03/27 11:41 | Comments(0) | TrackBack() | 文章
くろねこのくろさきさん②
①は「文章」のカテゴリーからどうぞ。

どんどん出しとこう(笑)

2009/03/27 05:42 | Comments(0) | TrackBack() | 文章
くろねこのくろさきさん
スペース省略のため、隠してます。

2008/07/22 04:00 | Comments(0) | TrackBack() | 文章
下のブログも見てね☆
小説のネタばっか考えて気分が高揚したので、友達に半年前から借りている『ブレイブ・ストーリー』を読んでいたら、薄い(であろう)壁の向こうから、普段6時に鳴り始めるアラーム音が聞こえてきた。いつも止めるまでに相当の時間を要し、おそらく顔も知らぬその住民はしこたま朝に弱いのだろうと容易に想像できる。反抗の意味を込めて壁に頭突きをし、のそのそと起き出す。カーテンをめくると、朝が迫っているのだろう、東向きの窓から朱が見える。
やがて邪魔されるのであろうが、今は下弦の月が清々と光っている。すると、その下に一瞬光のスジが通ったのが見えた。
流星群!
そう思うと、カーテンを開け、ベランダに出た。
確か今日から数日、何とかという流星群がよく見えるとyahoo!ニュースで見た。そのせっかちなのが見えたのだ。その思い込みだけで充分で、明日洗おうと思ってベランダにぶちまけている洗濯物を踏みつけ、東の空を見上げた。
入居時からすでにヒビの入っていたコンクリの壁にもたれ、さっき流れ星が見えた辺りの空を見る。しかしその部分は、既に太陽が塗り替えようとしていた。
明け方の空は、空の最高地点が黒なら東下するにつれて青に、そしてオレンジに変わっていくのだが、青とオレンジの間は白に見える。色彩の足し算なら紫チックな答えが出るのだろうけど、今の答えは白だ。
まぁ今見たいのは黒の上を滑る黄色なので、ベランダから身を乗り出すように真上を眺めた。しかし見えるのは、小さな黄色い、けれど動きも願いを叶えもしない星。最近の夜更かしも祟ってか、確実に視力が落ちていることを実感している。しかし、この街の東―――街の中心部が夜でも割と明るいのが星空の邪魔になっている。そもそも民法が三局しかなくて夜更けにはカラーバーしかやってないくせに、マンションの明かりが邪魔なんて生意気である。
 などとぶつくさ考えていると、さっと動く陰。あっと思うが、あれはコウモリだ。たぶん蛾とかセミとか捕まえに来たのだ。どこにそんな洞窟があるのか知らないが、コウモリがいっぱいいるスポットはきっとあるのだろう。
 残念ながら流れ星らしきものは、結局あと一つしか見つからなかった。流星群に所属する流れ星は緑とか黄色の光の緒を従えているものだと思ったけど、今日のは放り投げたポップコーンのカスみたいな小さな白い粒だった。多分事情があるのだ。単に団体さんの巻き添え食っただけとか、病気の床に伏す小さな女の子の「明日のデザートはプリンがいい」とかいう願いを叶えた後で墜落するだけのパワーしかないとか、きっと片田舎出身のオタクでは計り知れない由々しき事情をお持ちなのだ。
 でも近日中の夜中に来る流星群は、きっと満足させてくれる姿をしてやって来るだろう。言っておくが叶えたい願いがあるのではない。そもそも流れ星がみんなの願いを叶えるのというなら、とっくにお金持ちになってもっと広い部屋でもっとたくさんのグッズに囲まれてもっと怠慢な日々を過ごしている筈である。
 ただ何かすごいものが見たい。今しかないものを見逃したくない。
 それだけなのだ。

 これだけ書いている間に、窓から見える空に闇は無くなり、カラスの鳴き声が聞こえてくるようになってしまいました。

 ピークは13日だったと思います。
 がんばります。
 取り敢えず寝ます。




追伸:後で見直すと落ち度がよく見えます。

2007/08/11 05:22 | Comments(0) | TrackBack() | 文章
“9月27日”
さびた商店街。
ところどころ在る街灯と、自動販売機しか光ってない街。
潰れた店のシャッター。
あと一時間もすれば、だんだんと空も赤くなる夏の頃。
鳴り響くギター。そして歌声。
飯原は、いつものように歌っていた。
意味を知らない英語の歌。
日本語だと理解できるから嫌いだった。
甘っちょろい恋愛。
世界を呪う絶叫。
似たような歌詞を上げ連ねてプロフェッショナルだなんざ、失笑えた。
英語も翻訳ぐらい出来る。
でもしない。
無心で歌えるこっちの方が気持ち良い。
曲を弾き終えたところで、飯原は人の気配に気付いた。
近所のおっさんか、ポリだろうと思った。
何度も怒鳴られたり、職質受けたりしていたが、特に気にしていなかった。
何にも興味がなかった。
親父とか、仕事。過去や、未来。
とりあえず「今日」だけ転がしながら存在していた。
気配が近付いてくる中、歌の前奏を弾き始める。
「おーい」
気にせず最初の歌詞に入る。
「おいってば」
コードを間違えても、あやふやに歌って進める。
「おーいっ!」
「…何だよ!?」
曲の流れを断ち切られ、飯原は呼ぶ声に反応した。
「それ、何て曲?」
高校生くらいの女だった。
どこにでもいる服装。どこにでも見られる色の髪。
「何でもいいだろ」
適当に答え、ギターを抱えなおす。
「うん、何でもいいよぉ」
女はそう言って、飯原の前に屈みこんだ。
酒臭かった。
飯原は構わず、さっき歌いかけだった曲を頭から始めた。
歌うときは目を閉じていたが、ずっと自分の目を見つめられているのが感じられた。
邪魔だったが、同じくらいどうでもよかった。
不快感がなかった。

曲の間、視線はずっと飯原の目にあった。
歌い終えると、女が拍手する。
「何言ってるか分かんないけど、すごいじゃーん」
「そうかよ」
ギターを置きながらぶっきらぼうに答えると、女は持っていた水のボトルを差し出した。
「ライブ代」
「いらねぇ」
「あたしお金ないもーん」
「いらねぇ」
「じゃあ何で帽子置いてんのよ」
「別にいいだろうが!」
少し強めの返答。
「うん、じゃあいいよぉ~」
女はさかさまの帽子を拾い上げると自分の頭に乗せ、ゆっくりと立ち上がり、飯原の横に座った。
酔っているように見えるが、顔は別に赤くなかった。
文句を言うのも面倒(多分言った方が面倒になる)だったから、相手にせずに煙草を取り出す。
女は水を一口飲んで、飯原に差し出す。
「歌うと喉渇くでしょ~?」
間延びした声から視線を逸らす。
しかし、女はしつこく水を差し出してくる。
酔っている分、くどい。
明後日の方に煙を吹いて、ボトルを奪って水を飲んだ。
「ほら」
3分(さんぶ)程度残して女に水を返す。
「あ~、飲みすぎ」
女が膨れっ面して覗き込む。
飯原は舌打ちし、再び煙草を吸った。
「お詫びに何か歌ってよ、あたしが分かる歌」
「…あぁ?」
「いいじゃん、あたしはお客様よ?」
「俺は何も頼んでねぇだろ」
「ケチ!水飲んだくせに」
無視。
「バカ」
無視。
「ニート」
無視。
「若ハゲ予備軍」
「うっせぇな」
「あ、気にしてたんだぁ」
そう言って、女は帽子を飯原に被せた。
フッ、と強く煙を吐き、飯原はまだ長い煙草をコンクリートに捻りつけた。
女が肩に凭れてくる。
頭が耳に触れる。
「何でギターやってんの?」
「…別に」
「何か歌ってよ」
「歌わねぇ」
「ハゲ!」
「…ハゲねぇよ」
女が笑う。
下品な声で手を叩いたりせず、小さく肩を震わせる。
飯原が肩をすくめる。
項(うなじ)をぼりぼりと掻き、もう一本煙草を手にした。その時。
「…あたしの為じゃなくていいからさ」
声が寂しそうだった気がした。

「…あたしなんて居ないからさ」

女は、飯原から表情が見えないように俯いた。
耳から髪が離れ、距離ができる。うつ伏せに、顔を隠す。
飯原はため息をついて煙草を箱に戻し、帽子を女にポンとかぶせた。
そしてギターを構えた。

昔、一世を風靡したグループの歌。
とっくの昔に解散しているグループの曲。
普段飯原は目を閉じて歌う。
曲の最中、目を開けることはない。
別に見たいと思うものもない。
世間の介入が音楽(せかい)の邪魔だったから。
適当な音楽(じこまんぞく)に汚い世間が割り込むのが不愉快だったから。
…横目で女を見る。
顔を伏せたままだが、聞いていることが分かる。
何だよ。
ちゃんと居るじゃないか。

この歌は、最後に同じフレーズが続いている。
街が、黒から紫に変わり始めた。
赤が混じるまで、飯原は歌い続けようと思っている。
小さく「今日」のはじまりを見て、飯原は再び目を閉じた。





2007/06/10 06:21 | Comments(0) | TrackBack() | 文章

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