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2025/01/18 08:33 |
でたーよ。
第8回詩のボクシング高知県大会決勝トーナメント、参加してきました。
結果から言いますと、2回戦敗退です!

大会当日に無事希望休が取れたのも束の間、全く準備をしない日々をだらだらと続け、あっという間に本番直前。
昨日の夜までどの詩を本戦に持っていくか考えたり、出来てない詩の続きを考えたり、眠くなって早々に寝たりと、微塵の気負いもなく過ごしてしまい、今朝は準備に追われて大変でした(笑)プリンタ無いので手書きで原稿用意して、3分で纏められるよう詩をいじって…。ホント当日にすることじゃないんですけど(汗)

本戦は、本来予選通過の16名でトーナメントを戦うのですが、水疱瘡やなんだかんだの都合で14人しか参加できず、トーナメントの一枠がそのまま敗者7名のうち二人を会場審査で選び、第八枠をそのまま敗者復活戦にする、という変則的なカタチになりました。

くじ引きの結果、私は7番(第3試合)。人形劇風の語り口が特徴の相手でした。

結果:1-6で敗戦。
聞いてくださった方々の感想。
・去年読んだ方が女性の切望した感じが出ていてよかったのに
・前の方が良かったよね

初戦ではどれを読むか迷った挙句、昨年県大会の予選で披露した作品を持っていきました。(詩はブログ後半に隠して掲載します)女性的、というのは、どこかで染み付いた作風かと。しかし、練習してないとか、作品への変な過信なんかがそのまんま出ていたんでしょうね。作品中噛んでしまい、思わず「スイマセン」と会場に謝ってしまった。聞き手は私の想像以上に本当によく作品を聞いて下さっています。
ある意味当然の結果でしたが、同時、「この作品で負けるんなら仕方ないよね」と思えるだけの一番の自信作、という面も持っているので、何となく諦めは着きました。


一回戦7試合が終わり、休憩の間に敗者復活戦出場者投票。これはお客さんが初戦で敗れた選手に投票し、上位2名が二回戦の枠を争うものです。
休憩の前、敗者が壇上に上がり、次作のPRを行いました。こんな試み初めてでしたが、私は確か「『詩』は書く物だと思ってましたが、「読む」という違った表現方法で挑んでみたい作品があります」みたいなコトを言った気がします。

…不思議なもので、どっかで諦めていた一方、やっぱり期待も込めて結果を待っていた為か、緊張しすぎて頭ふらふらしました。
トイレで見に来てくれていたマジアカの後輩賢者(笑)に会い、「僕ら(彼女と見に来ていた)この人に票入れましたんで…」と私の名が書かれた投票用紙見せられました。お前ら大好きです(爆)


敗者復活に選ばれたのは、家族を題材に楽しいトークを繰り広げる高校生と、私でした。
正直、超嬉しかった。そして、新作ではっちゃけてやろうと決めました。新作は、今日の午前中仕上げた作品。初めて『詩のボクシング』で笑いをとってやろうと企てました。

敗者復活戦
結果:7-0
聞いて下さった方の感想。
・暗いのばっかりよりもあーゆー明るさがある方がいいよ
・『あれは』面白かった

なかなか限定的なお褒めの言葉を戴きました(汗)狙った所では笑い取れてなかったし。
それでも、舞台で読んでいてとても楽しかったし、笑い声というレスポンスがあった分気分もノリました。読後の達成感も大きかった。
ネガティブな作品、影を持った作品が私の売りだと思っていたので、ちょっと新しい事をするのには抵抗がありました。しかし、票数どうこうよりも、いつもと違う方向に活路が見出せたような気がして、敗者復活戦に選んで下さった会場の後輩、そして見知らぬ観客の方々には本当に感謝しています。


2回戦。高校生『詩のボクシング』大会準優勝経験者、そして後に高知県大会チャンピオンになる高校生との対決。

結果:2-5
聞いて下さった方の感想。
・やっぱり暗いのは(以下略)
・足震えてたのわかったよ

…笑いが取れそうな詩なんて1個しか持ってなかったし、作風を今更変えるなんて無理です(笑)でも比較的歴史の浅い作品で、好きな型の詩だったので、思っていたよりも後悔は少ないです。
感想の2個目は、審査員の方に戴いた言葉。
「あんだけ足がガク付いてたのに声が震えてなかったってのはスゴイよ。精神が肉体を凌駕してたよ。だから赤の札(私は赤コーナーだった)を挙げたよ」
…今こうして文字を打っていても今ひとつピンと来ない(笑)。そして詩の内容じゃなくて足の震えに一票くれたのか!?
それでも十二分に嬉しいお言葉でした。


負けた後、これはこれで他者の作品を気兼ねなく堪能できるので楽しいんです。奥様の素晴らしさを選挙演説風に述べた方(この方は準優勝となりました)の作品では、会場から拍手の嵐。私も「いいぞー!!」と声を張り上げてしまいました。
他にも猫の話、DJ、シュールな語りの高校生、若き日の寮生活…今回も楽しませて頂きました。

優勝した女子高生は、日常会話の切り取りセンスが素晴らしい。上手く共感を手渡してくれるような語り口で、温かさと、ちょっとした切なさをもたらしてくれます。11月に東京で行われる全国大会、是非頑張ってほしいです!


個人的な感想としては、3本も作品を読ませて頂いて、とても嬉しかった点が一つ。敗戦後の悔しさが無く(敗者復活戦で勝たせて頂いて、それから自分はここまでだという予感があった)、それよりも次に何か出来そうかと考えられる機会や収穫が大きかった点がひとつ。
作品はひとりよがりではダメ、と頭の中では分かっているつもりでしたが、やっぱりエゴは強い。でも、そのエゴは舞台上では似つかわしくないかもしれない。だったら自分も楽しめる範囲で、何か違いを与えられないだろうか―――その切っ掛けが貰えた貴重な経験をさせて頂きました。
転勤さえなければ、来年も高知で大会に参加したいです!打ち上げの飲み会、超楽しかったしww


自信作は死んだ。
だからきっと次にいける。


もうちっと色々感じてた筈ですが、こんな感じに留めておきます。
敗将は、兵についてなんぼでも語りたいのです。

最後に、今大会披露した詩を載せておきます。一部舞台上のテンションの都合で改変してるものもありますが、それはもう覚えてないので、手元にある原本をそのまま記載してます。宜しければご覧下さい。



(第一回戦)

下りてこない


11時のニュースで流星群のことを知り
彼と私はお願いのためにベランダへ
おおかた乾いた洗濯物を部屋の中に投げ込み
ふたりで広くなった空を見上げる
でも外には斑らな雲
厚さのない空の隙間からでは闇しか望めない
部屋の中からはアナウンサーが東日本以外では見づらいと言っている
そんな時 彼が言ったの

僕にいい考えがあるんだ

彼はテレビの上に飾ってあった
英国土産のボトルシップを持ってきてそのまま下階に投げつけた
透明な瓶はコンクリートの地面に叩きつけられて砕けた
すると中にいた船は途端に脇の軽自動車ほどに大きくなり
彼はその船に乗り込んだ

これに乗って雲を片付けてくるよ

そう言って私の目線にまで浮かび上がる船
私が大丈夫なの、と尋ねると

何なら流れ星を取ってきてあげるよ

といつもの悪戯な笑みでそのまま浮かび上がっていった


硝子の破片をまきながら
暗い空を航ぐ(およぐ)木の船
星の波を引き連れて
だんだんと点になっていく彼
私は手を振ってみたけど
彼が応じているかはわからなかった


それから彼は下りてこない
一週 一月 四半年
待てども待てども下りてこない
星しかない空 雲しかない空 月しかない空 水しかない空
どれも彼を吐き出さない
彼の名前を読んでみても
空に吸い込まれ霧散する


テレビは彼を探さない
人の不倫と粉まみれの男
虹のパズルを繰り返し映すだけで
また笑顔で朝を告げる
画面右隅の時刻に追われて会社に行くわ
でも安心して
彼を見つけるのは私よ メディアじゃない

違う流星群が巡ってきても
その中に彼はいない
彼は私に笑わない
次の30年なんて待てない
でも次の夜なら何とか待てる
だから寂しくても空を見上げてる
彼を見つけるのは私よ 周期じゃない

首が痛いなんて言わない
飽きたなんて言わない
彼もきっと私を探しているわ
眼が辛いだなんて言わずに
息ができないなんて言わずに
彼を見つけるのは私よ わたしなのよ…


そうして空を見続けていたら
分かってきたことがあるの


きっと彼は流れ星になったのよ
一瞬だから笑顔も見えないだけなのよ
いつしか彼自身が願いになって
私の前をいくつも翔って(はしって)いく

小さすぎて私の願いは叶わないの
彼も小さすぎて私の願いを叶えられないの

もう彼は下りてこない
下りてきたなら私を殺す
だけど寂しがりやな彼だから
私は何も言わず 空を見ているの


【例の「自信作」(笑)。どんどん立ち位置の変わってくる作品ですが、大切であることに変わりはないです。】


(敗者復活戦)

しにがみ、はじめます。


「幸せなヤツなんてだいっきらいだー!!!」

・・・とダムの放流で荒れ澱んでいる川に叫んだら、目の前に黒いマントの男が浮いていた

「どうやらお前には死神のセンスがある様だな、どうじゃ、『21世紀・死神同好会(日本支部)』に所属せんか」
先刻元カレに言われた「お前の八重歯かわいいから、もっといい彼氏見つけられるだろ?」と同じくらいの胡散臭さがあったが、半ばヤケになっていた私は、簡単に入会儀式を済ませ、当日付けで死神になった


最初の死神としての仕事は、今居る河川敷の四葉のクローバーを全て一枚摘んで三つ葉にすることだった
除草剤撒いて、全部枯らせばいいじゃん、と文句を言うと、

「青二才め、親子連れがたまの休みの想い出作りにとやっていることが全てムダになるのだぞ?こんなに不幸なこともあるまい!」

「それに、お前はまだ新人の身だ、段位も無いのに除草剤なんか撒いて草や虫を殺すなど200年早いわ」

…聞けば、死神は42-3級からスタートし、一課題クリアごとに昇進していくらしい
級位が一桁にならないと「着陸時に前輪だけ出ないよう飛行機を改造する」クラスの不幸をもたらせず、誰かの命を奪おうとすれば有段者しか許されないのだという

「道のりは果てしない、が、努力を怠るな!努力とは総じて地味なものだ」

無駄にカッコいい事を言われ、丸4日かけて河川敷のクローバー計102枚から幸せを奪った

次の課題は、「幸せの青い鈴を青メッキで塗り、キーホルダーとして販売すること」だった
もはやイミがわからん!と文句を言うと、

「小童め、素人のお前が造った観様見真似の「幸せの鈴」は、日常生活のうちにどんどん幸せメッキが剥げていき、最終的にはもげ落ちるのだぞ!見放された人間のショックは計り知れぬわ」

死神って、やることのレベルが低い…


その後も私は、与えられた課題をソツなくこなしていった

「迷った末に傘を持っていかず、結局雨に降られる」というのは24級の課題らしい
この辺りからハードルがぐっと高くなり、昇進できない死神が沢山居るから、割と起こる頻度が高いのだと教えてもらった


やること為すこと、全て貧乏神っぽいと思うけど、「死」すなわち「最大の不幸」というのが死神界の究極の理論のようで
それゆえ不幸で以って人を殺す、ということは相当重いことであるらしい

…それは、何となくわかる。
(草や虫のコトも、人間だった方がよほど自由に殺生できたのに…)


30級の「自転車に乗っているときに顔に変な糸が引っかかる不幸」の実践報告を見ているときにふと思った

見つからない四つ葉、転げ落ちた幸せ、からまった糸…

自分の起こした小さな不幸が、誰かの話題になって
そこから些細な話題が生まれ、くだらない笑いに変わる
それを見ているのは…うん、嫌いじゃない

「最近たるんどるぞ」が口癖になった黒マントさんも
15級を取った所でスカウトに転進したのだそうだ
110年やってきて、まだ一人の有段者も輩出できていない、というのも、何となく頷ける

多くの弟子は、
すっきりと死神をあきらめていくそうだ

あ~あ、こんなんじゃ段位は果てしないな、
と、何だか嬉しくなった


【荒削りだなぁ(笑)でも読んでて楽しかったので好きです。】


(第2回戦)

砂時計


狭く締まった空から とめどなく流れる乾いた砂
降り注ぐ砂は髪に、服に、口に飛び込み
あとはだんだんと積み重なって 体を飲み込むだろう

手に持った青い傘は
優しさを見せびらかすためのもの
0に何を掛けてもなのに
せっかくだから美しいものを用意したのだ
開いてみるけど結局は埋もれる
根本はまだ横たわっている
むしろ壊れた雨どいの下に立っているような重い音が嫌で
傘を畳んで 砂に打たれた

長さだけは固定の世界でも
体感時間とは例外なくいいかげんだ
走馬灯も 砂に足を取られて追いつけない
決められた時間の中に
一体何を詰め込もう?

積み重なる砂は ざらざらと、さらさらと流れ
なだらかな坂になり、冷たく黙る
こんなんじゃ城も造れないし
想い出も刻めない

坂の中腹に傘を突き立て
その横に体を預ける
もう仕打ちに疲れた
乾いた脆坂が体を滑らせて ゆっくりと淵へと追い込む
耳には優しい砂の音
これは罰なのか
それとも癒しか

雨音は母親の中にいるときに聞こえる血流に似るのだという
だから穏やかな砂の流れにも心が休まるのだ
体を母に返すだけだ ならばきっと怖くない

やがて透き通った壁にぶつかり
行き止まりにきた砂が仕方なく被さってくる

オモイ… オモイ… オモイ…
粒の隙間で 邪念が響く

消えていく姿
黄色に飲まれる姿

取り敢えず世辞でも言ってよ
見抜けずに喜んでるから

諦めたように笑えば
きっと供養にでもなるだろう

安寧な姿だと思えば
まだ心が休まるのだろう


青い傘の柄だけが顔を残し
三分間は終わっていく…


ところで、
中にいるのはどちらかしら?


【負けるだろうと思っていながら、楽しく読めた詩、そして、足が震えてた詩です。文字で読み返すなら、まだ情景想像が可能なんじゃないか、という丸投げ(笑) ネガティブとか暗さ、というカテゴリだけでは括れないと思ってたのは私だけ?】


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2009/08/23 00:07 | Comments(0) | TrackBack() |

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