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2025/01/30 05:46 |
第2回 詩の発表会。(第1部)
こんばんは、緑青です。
急に思い起こし、第二回詩の発表会を開催してみることにしました。
本来なら毎年10月〆で、そこまでで出来た詩からいくつか選んで公表する予定なのですが、さっさと公表して次にいきたい気がしてきたので、唐突に開催することに致しました。

今回も2部構成です。第1部は今回掲載する12編。昨年やった発表会のときに選外とされたものの10篇と、それ以降にできた2編で構成されてます。前回みたく内容で分けているわけではありません。が、相変わらず微妙な表現もあるので、そこは自己責任ということで(訂正、削除指南は受け付けます)
前回同様簡単な解説(感想)とあとがき付き、解説は期間限定です。
都合により、第2部公開にはもう少し時間を要します。お待ち下さいます様。

それでは、「本体」へお進み下さい。

◆◆◆

1.ふんいき

日常にまあまあという評価を与えて
シアワセな日々を転がっている

自分を嫌う要素のほうが圧倒的に多いけど
影は朝日に隠れていく
でも影は影でも消せる
日食が続けば病気なんだね、気をつけるよ

10年も愚かな10代やっといて
まだまだ飽き足らずにバカなまま
次の10年は楽しいかな?
期待しないで待ってるよ


また会いましょう
離れられずに此処にいる
視線だけでいいや
認めて
受け入れあってイきましょう


◆◆◆

2.失恋パーティー

並木の落ち葉をかき集めて
友達が持ってきた芋で
焼きイモしよう

ついでに
付き合う前にもらったラブレターも
すっごい笑顔の二人の写真も
一緒に焼いちゃえ!

焼けたイモを新聞でくるんで
みんなで食べる

…なんだか涙が出てきたけど
ケムリが目にしみたせいにしておこう

あったかくて
おいしい思い出でした!


【できた時はお気に入りだったんだけど、「別れた男の写真を燃やす女ってかなり恐くないか?」って思って掲載を見送られた作品。タイトルは好きです。】

◆◆◆

3.ゴミ

せかいはきれいなものがあふれております。

だからいくらでもわいてくるのです。

『綺麗事』




◆◆◆

4.face

願えばもらえる程度(レベル)の愛でよかったのに
どうしてそんな顔するの?

一度とがった刃
折れないから刃と呼ぶ

傷つけるはずなんて
そんなつもりなんて無かったから
わたしはアリノママの姿で
あなたと向かい合っていた


違和感はいつも同じ形
コツさえつかめば簡単にいくらでも積める
そこから見下ろすあなたは
暗く小さく見えて
むしろもうチガウモノだった


同時に視界に居ない私に安心していたね


はっきりと見えた終着の際で
どうして何でもないような顔してるの?



◆◆◆

5.メカニカル

自分の中から 機械音がするよ
歯車で動く 時計のような
接触が悪くて 漏れ出したのか
音だけは どこか苦しげで

そういえばさっきまで二進法で割り切れたのに
きっとドレカに寿命が来たんだ

破れやすいのに毎日毎日水を掛けられて擦られる薄皮の下
壊れやすいのに
大切だから?
表面の管理だけは怠らないみたい
これが祟ったのかな?

アンナニ大事ニシテタノニ・・・


完璧じゃないのに 歯車は回転をやめない
軋む音も キレのない動きも
全部障りがあるのに まだ稼動している

何がよくて 何処がダメか
外から見たんじゃ分からない
そもそも分かるものなんてあるのかしら?



◆◆◆

6.ロボット

真っ暗な展覧会のガラスケースの中だ
これが僕だ 僕のようだ
非常灯の点滅 空調設備の唸り
意義が解らない
優秀な電盤を搭載しているとしても
僕は何をやっているんだ


<モードヲチェンジシマス>
<右腕ガ尖ル>
<鋭利ナ刃物ノヨウニ>


突き刺してみる?

血が出たら万々歳
壊れるのも大歓迎
どう転んでも僕は別にイイよ
今よりも分かりやすい変化が受け取れるならね



◆◆◆

7.効能

呪いの言葉を吐いても
関係なく他人の命は続いてゆく

呪うという行為に
自分の命が奪われていることを知らない


おまえは呪詛のあいだに他になにができた?




◆◆◆

8.空洞

日本語で歌った平和の歌で

世界を救えるなんて信じない


戦争が悪い
政治が悪い
そんな言葉で何が出来るというんだ

他人が悪い
俺たちは悪くない
だから平和を歌う


世界を救えるなんて

信じない



◆◆◆

9.持て余す

銀のコインをグラスに落として
波が消えるのを待っていた

ロックの氷を浮かべて
消えるのが先か無くなるか、
薄くなる私を眺めていた

そっと回して
渦が音無しくなるのを見送って


…後は私が溶けてしまえばいい


ほの暗いカウンター
時計の秒針はゆっくりと進む
どうしてこんなに夜は長い
眠りには追いつけないし 誰も追ってこない


煙草に火をつけて
灰皿の上で短くなっていくのを見つめていた

溶け残った私の気持ちだけが
薄らいで見えなくなっていった




◆◆◆

10.grow?

未来とは天井のようなもの

幼い時は高すぎて、世界は希望だらけに見えて
成長に伴い、徐々に希望は頭打ちに
そしてついに育てなくなって
「自分」に限界と言う線を引く

そして「現実」と名前をつけ
自身の不服をごまかしていく

人によっては早々に成長しなくなって
いい年こいて夢ばっか見上げてるのも居る
逆に未来を切り開く術を持っている人も居る

私の夢は何だったっけ?
天井を壊す術をここまでで見つけたっけ?

どうやら今のところ 私は手ぶらのようだ
迫ってきた 迫ってきた




◆◆◆

11.神様ごっこ

種を配る
土に合わない種でも
芽を出す可能性(コト)をおもって少しずつ蒔いていく

もし咲いても
その花は種を結ぶことない一代限りの幻
渡す相手のいないバトンを握りしめて
頼りない足でメザス先は未来

蛾も蝶もいない
汚染だけが進む空間で
きっと彼らは 腐った通り雨を昇華して
命を紡いでゆくのでしょう


わかっていていのちのおしうりをするわたしはひどいですか?



◆◆◆

12.銀貨少女~海に落ちた銀貨~

泡をたてながら 私は蒼を眺めていた
形を変える波に 歪んだ太陽が乱反射して
決して掴めない幻のように

右に傾けば 左側が浮く
圧力を受けて 次は左が沈む
光と闇が交互に入れ替えられていく

私の上を何か大きなものが横切っていった

やがて揺れ続ける私の目は 闇しか見えなくなって
せっかくもらった瞳は 存在しても意味のないものに
光はそれでも手を伸ばしていた
私も光に手を伸ばしていた

そのとき穏やかに笑う口元が見えて
まっくらな紳士が私に歩み寄っていた
怖がる私の肩に そっと腕が触れる
か細くなる光を押しのけた紳士は冷たく私を包んだ
「いつか… いつかきっと迎えに行くから…」
紳士は私の耳をふさぎ 光の残響は消えていった 

私の上を何か大きなものが横切っていった

紳士の外套に抱かれながら
私はその中をゆらゆらと潜ってゆく
死んだ感覚と生きている感覚が 音もなく重なり合って
静かに泡(あぶく)を残しながら 体を闇に委ねていく


いつしか 紳士の城の宮殿に招かれていた
そっと砂の寝台に寝かされて 私は眠りにつく
紳士の手が髪を撫ぜる
ゆっくりと 慈しむように冷たく
繰り返し私の上を流れてゆく

時に紳士は静かに歌いだした
優しい口元で私に捧ぐ 闇の国で生まれた古い古い愛の歌
波の奏で 水の震え すべてが解け合う静かな時間
彼はずっと微笑んでいた でもその歌声は聞こえなかった

どこまでもどこまでも宮殿は広く
いつまでもいつまでも紳士は私を撫ぜていた


「満月の夜に現れる 恋人を呼ぶ 暖かな腕」

私がまだここにいなかった頃 最初に覚えた最後の歌
私が最後に見た光の腕
そして片時も離れることなく
今は静かに寝息を立てて 私を撫ぜる紳士の腕
ゆっくりと解け合ってゆく
いつしか一つになり 永遠に私を奪われるその前に

波に揺られながら腕を伸ばし
闇に消えてしまった目を開く

私の上を何か大きなものが横切っていった




◆◆◆

あとがき。(隠してます)

長丁場お疲れ様でした。

元々の作品じゃなくて、時間が経ってから手を加えた作品が多いのが今回の特徴かと思います。
どんなに納得のいかない詩でも、どんなに醜いメールでも、データとしてパソコンに残すようにしています。それらを踏み台にして、もっといいものを創り、いい言葉を産み出せたら幸せだと思うからです。
自画自賛も大事(そして大好き)だけど、もっと謙虚に物事に接する事ができたらいいなぁ。この感情は「圧倒されていたい」、という願望と近しいものがあると思います。

何か中途半端になったけど、今回はここまでです!


再確認。
俺って嫉妬大好きだな。
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2008/06/02 03:54 | Comments(0) | TrackBack() |

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