A cloud

もっと世の中ナメたい。

一つの悩み、問題にがんじがらめにされるのもいい加減ばかばかしいと思えてきました。
優柔不断は相変わらず祟っていますが。
要領さえよくなれば拓ける。

授業の教科書を購入。この時期は出費がかさみます。
上手くいけば古本屋でどうにでもなる事実。

１４．宵寒(よいざむ)


ベランダに凭れて

空を吐き出したら

私は吸い込まれた

ビルが遠い
月が近い

地を這うヘッドライト
道なんか見えないから
規則どおりに進むソレがばかばかしい

…乱してやりたい

そんな衝動に駆られ
地上目掛けて滑った

風の音がしないとおもったら
風は私自身だった

勢いのまま低く掠める

冬模様のイチョウ
ビニール袋
カラス

全てを劈いて初めて音がする

窓ガラス
子どものニット
水面(みなも)

渇いた音と共に揺らぐモノ
完全に壊すことは出来なくても
笑みさえこぼれる優越感がある


…その時ふと私は
得体の知れない臨場感による興奮と共に
大した目的も無く無機質物(マテリアル)の中を彷徨うことへの恐怖を感じた


次の瞬間
私はベランダに還っていた

冷えた肌と
ただ白いだけの吐息

たとえ風になれても
私に出来ることは「わたし」と一緒だった